天球の音楽と組曲「惑星」



天球の音楽とピタゴラスシリーズで、
偉大な哲学者でありながら、現代の我々
が使う音階を発見したという、とてつ
もない音楽感性を持っていたと思われる
ピタゴラスが、天球の音楽を、人類史上
初めて聴いたというエピソードをご紹介
しましたが、それ以降の歴史上の科学者
や哲学者、音楽家に至るまで、その
「天球の音楽」は永遠のテーマのように
扱われてきたようです。
時代は、ずーっと進んで、第一次世界大戦
頃にホルストによって作曲された「惑星」
もその天球の音楽のコンセプトが根底に
あったようです。
このような知識は、やはり占星学の日本の
大家でおられる鏡リュウジ氏から、
いただくものです。
またいつものように著書からそのホルスト
について書かれた記事をご紹介させて
いただきたいと思います。

“音楽と占星術には深い関係がある、音楽と
占星術、そして数学は兄弟のような関係に
あるのだ。そのことはこれからじっくり
お話ししていくが、まずここで取り上げたい
のは、グスタフ・ホルストの「組曲 惑星」
である。
 この組曲は有名なのできっとみなさんも
お聴きになったことがあるはずだ。
オーケストラでは聴いたことがないという
方も、平原綾香さんの「ジュピター」の
原曲だといえば、ピンとくるはずである。
   (中略)

この組曲は占星術をもとに作曲されている。
それぞれの曲のタイトルをみれば、占星術の
色合いがはっきりと表れている。

一.火星、戦争をもたらす者

二.金星、平和をもたらす者

三.水星、翼のある使者

四.木星、快楽をもたらす者

五.土星、老いをもたらす者

六.天王星、魔術師

七.海王星、神秘主義者

つまり、惑星の占星術的意味がそのまま
曲のモチーフになっているのだ。
 でも、もしかするとこんな意見を
もたれるかもしれない。
 いやいや、英語での惑星の名前はローマ
神話の神格なんだろう、とくに占星術の
実践と関係なくても、神話的なイメージ
だとすれば、これはもう、ヨーロッパの
人なら当然の教養だから、とくにオカルト
的な占星術とは関係ないんじゃないか、と。
 もっともである。ホルスト自身、自分の
曲が占星術をインスピレーションの元に
しているということをほとんど明言して
いない。しかし、たとえば海王星が
「神秘主義者」(the Mystic)、
天王星が「魔術師」(the Magician)
というタイトルになっていることに
占星術家なら注目せざるを得ない。
海王星の英語名ネプチューンは、ローマ
神話の海の神であって、「神秘家」と
いう側面はない。天王星はウラノス、原初
の天空神であり、「魔術師」などではない。
神話のキャラクターで魔術師を想起させる
存在というと、ウラノスではなくヘルメス
である水星をとりあげるべきだろう。
ヘルメスは知識の神であり、知は魔術と
結びついていた。実際、ヘレニズム時代の
「ヘルメス文書」には占星術や魔術の要素が
多分に含まれているのである。
ネプチューンを「神秘家」だとして違和感
なく納得するには、占星術における海王星の
イメージに馴染んでいる必要があるのだ。
 海王星を「神秘家」として擬人化できる
のは、二〇世紀初頭以降の概念なのである。
ホルストはいったいどこからこの海王星の
イメージを吸収したのであろうか。
 多くの音楽史研究者たちも、ホルストの
惑星のイメージが占星術から来ていること
には気がついていた。だがホルストの
占星術の知識のソースについては、
ながらく明らかにされてこなかった。”
“出典:「占星術の文化誌」
       鏡リュウジ 著
         原書房 刊”

ホルストの占星術の知識は、どこから来る
のか、鏡リュウジ氏が明らかにしておられ
ます。それについてはこのシリーズの
次回ということで。
それにしても、幅広い知識と、深い洞察力
で内容の濃い記事を書かれますよねー。
なるほど、有名な「惑星」という組曲も
占星術をモチーフにつくられたもの
でしたか、私は趣味編でもご紹介して
いるようにバロックには若干詳しくなり
ましたが、肝心の近代のオーケストラの
クラッシックは、本当に有名なもの
しか知りません。
ですがこの「惑星」はやはりさわりの
イメージだけは出てきますので、
やっぱり有名ですよねー。
なので、ホルストの組曲をyoutube
からお借りしてくることにしましたので
よかったら聴いてみてくださいな。
いや自分もバロックくらい短かったら、
まだ完全に聴けるけど、近代の
クラッシックは長く、抑揚のほとんどない
部分が続くと熟睡してしまうので、
はしょって聴きますけどねー💦
とにかく、今日引用させていただいた
記事のあとに、またホルストの曲の感想を
まじえながらの記述があるので、
その記事を引用させていただく前には、
大体とばしとばし聴いてみようと思います。
それにしても、火星や土星はさすがに、
古来から凶星といわれるだけあって、
あまり歓迎できないイメージのよう
ですね。
逆に金星や木星は、ずーっと吉星として
知られていたようです。
ただ、占星術に詳しい現代の方なら、快楽は
金星の方だろうという人がいるかも
知れませんが。まあどちらも良いイメージ
には違いありませんよね。
天王星が魔術師というのは、変革をもたらす
星ならではの力強さが感じられますし、
海王星の神秘主義者も、潜在意識深く
入り込む海王星のイメージにぴったり
です。
やはり、占星術の共通認識というのが、歴史的
に感じられて良いですねー。
では下にホルストの「組曲」をお借りしました
ので、よろしかったらどうぞー(^_^)v

ではまた次回ということで(^^)/

ホルスト組曲「惑星」/シャルル・デュトワ

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投稿者:

あんみん댊

滋賀県在住で、 神秘についてや、精神世界について 長年研究を続けています。 携帯アプリなどでサビアン鑑定も 行っております。 神秘的なことなど一緒に探求したい という方、集まってくださいねー。 あとスポーツライターも目指して いることもあり、口数は人の 100倍はあろうかという自己評価 ですが、かなりまわりから、 「盛りすぎ!!」と批判されております。

「天球の音楽と組曲「惑星」」への2件のフィードバック

  1. タイトルだけは知っていましたが、占星術と関係があったとは知りませんでした。近代以降のオーケストラ曲は好んで聴かないのですが、試しに一通り聴いてみました(スキマ時間を利用しての視聴だったので、時間がかかってしまいました^^;)

    どのタイトルの曲も耳に馴染みがなかったのは置いておいて(・・;)、いずれも惑星のイメージに合った曲調で、とても興味深かったのですが、やはり私もバロック音楽のほうがいいです♪

    1. ありがとうございますーーfennelさん(^^)/
      バロック編の記事以外にも目を通していただいてうれしいですーー。
      よくぞあの「惑星」を聴いていただきましたねー。
      惑星のイメージに合っているとは、さすがfennelさんの感性だと思いました。
      でもやはりバロックを推していただいてありがとうございまーす(^^)/

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