驚異の催眠術 その3改 微加筆


今日意識はどこにあるのか改という
記事を投稿しましたが、その記事を
理解するのに、良い実例を取り上げて
いる記事を再投稿しておきます。
催眠術によって、いったん自分の
意識が、肉体から催眠術師に移行
してしまうと、肉体を離れた場所で
の感知能力が発揮できてしまったと
いう事です。またその様子を肉体の
外から客観的に眺める事もできて
いるというこの記事は、大いに
ご理解の助けになるものだと思われ
ます。

では元記事です。

意識はどこにあるのか改で説明させて
いただいたように、我々の意識は脳の
中や、肉体の内側に閉じ込められて
いるものではなく、まわりの環境と
一体であるという事です。
今回は、そのことを裏付ける実例を
また一つご紹介しますね。
これまで世界中でそれこそ無数といっていい
くらいの超常現象や超常能力の実例が、
報告されてきましたが、
コリン・ウィルソン氏ほど、その事例を、
多く集めて著書に書かれている人はいない
のではないかと思うくらい、あらゆる事例を
紹介してくれています。
そして、今回は興味深い催眠術の実例を
やはりコリン・ウィルソン氏の著書から
引用させていただきます。

“バーゲンシュティッヒア(引用注:ドイツ人
医師)は超常現象にまったく関心がなく、
催眠下で「透視能力」を発達させた患者の話
などいっさい信じていなかった。しかし、
これが偶然であり得るかどうかを調べるだけ
の度量は有していた。
驚いたことに、彼女(引用注:患者の一人
マリア・デ・ジェロルド)は疑いようの
ないサイキックをあらわした。
マリア・デ・ジェロルドは、催眠術をかけ
られた人間は術師の思考や感覚を共有できる
という、サー・ウィリアム・パレットや
ピエール・ジャネらの見解を裏付けた。
パレットはかつて、自分の手を炎の上に
かざすと催眠術にかけられた少女が顔を
しかめ、砂糖をなめると微笑することを発見
した。マリア・デ・ジェラルドは、次のよう
に断言している。「深いトランス状態に
はいっているあいだ、私の五感はすべて
閉ざされる。ただ閉ざされるだけでなく、
催眠術師のほうに転移される。私は彼の
耳が刺された痛みを感じ、彼の舌にのせら
れた塩や砂糖を味わい、彼の耳に近づけた
時計の音を聞くことができる。そして
彼の指にマッチが近づけられると、私も
火傷(やけど)をしそうに感じるのだ。」
 催眠状態で目を閉じている彼女には、
もちろん何も見ることができない。
しかし、バーゲンシュティッヒアが自分を
見るよう命じると、彼女はまず彼の立って
いるところに影のようなものを感知し、
それからごくふつうの映像を見た-しかも
それは、彼が彼女の背後に立っていようと
変わりがなかった。
    (中略)
奇妙なことに、マリアはバーゲンシュ
ティッヒアとの距離が遠いほど、強く彼を
感知した。
    (中略)
 さらに不思議なことに、彼女は、自分の体
と彼の体が発光性の「電気的」性質を帯びた
「紐」によってつながれていることに気づく
ようになった。シルヴァン・マルドゥーンも
投影されたアストラル体(引用注:霊体の
ようなもの)が同種の紐によって肉体と
つながれていたことを語っているし、
アストラル体投影を体験した者でこれに
言及している者も多い(全員ではない)。
つまりマリア・デ・ジェラルドのアストラル
体は、催眠下でパーゲンシュティッヒァの
のものと接続されていたのであろうか。”

“出典:「サイキック」
       コリン・ウィルソン著
   荒俣宏監修・解説 梶元靖子訳
           三笠書房刊 ”

もちろんその通りです。彼女の見た催眠術
師と接続されている電気的性質を帯びた紐
は、プラズマの事です。このプラズマは、
生命のある間肉体に宿っているもので、
それが亡くなった患者から抜け出る白い
光る雲の事です。これは魂と呼んでもいい
と思います。
つまり彼女の見たレベルというのは、
プラズマのレベルで、催眠術師と自分が
一体になっているという事です。
もともと潜在意識のレベルでは意識は一体
なので、催眠術師とマリアの意識が連結
されるのは当然可能なのですが、トランス
状態にある彼女が、その連結をプラズマの
紐として感知できたのはとても興味深い
ですね。
さらに高いレベルの意識では、全てと一体
である事が感知できるのですが、彼女の
トランス状態では、そこまでには達して
いなかったようです。
ただ五感の肉体レベルでは感知できな
かったプラズマレベルで、催眠術師との
連結が見れたという事なのです。
彼女は催眠による深いトランス状態に
入っている間、意識ははっきりしてい
ます。この点、催眠術の驚異の力その2
で紹介したトムのように暗示をされている
間意識がなかったのとは違います。
これは、潜在意識で覚醒している状態で、
よく超能力者やヒーラーが経験している
状態です。つまり覚醒夢の状態と同じ
です。私も何度か経験があります。
「夢の中で、これは夢だという事に気づき
その夢の中で自在に空中を飛んだりする
ことができる」というものです。
彼女は、意識は覚醒していますが、五感
は眠っています。つまり顕在意識が働いて
いないからです。逆につながった催眠術師
の感覚と自分の意識が一体となっている
ので、催眠術師の五感を感知するように
なったということですね。
またマリアは催眠術師との距離が遠いほど
強く彼を感じたとありますが、我々の五感
による空間認識と違って、潜在意識では、
空間は逆転して感知されるという事ですが、
むしろ潜在意識の方が、本来の空間を感知
できているということだと思います。
今回取り上げたこの事例で、意識は肉体の
内側に存在しているのではなく、潜在意識
のレベルでは、肉体の外の環境と一体で
ある事が理解できるのではないかと思い
ます。連結されている紐を見て、肉体の
内側にも存在していると思われるかもしれ
ませんが、それは意識の一部だということ
です。しかも強力なプラズマ循環をして
いる五感に囚われた肉体意識だという事
です。
それをさらにわかりやすく説明しま
しょう。プラズマの紐を見ているのは
それを客観視しているマリアの潜在意識
ですよね?
つまりそのレベルでは、彼女は自分の肉体の
プラズマ自身でもなく、催眠術師と
つながっているプラズマの紐でも
ありません、彼女の潜在意識は、それを
いわば外から眺めているわけです。
これが我々の潜在意識の存在する本来の
領域だということなのです。
どうでしょうこれで理解していただける
と思いますが。
マリアが催眠によりトランス状態で意識
を覚醒させることが、さらに他の超常能力を
発現させる事になります。それは、物体の
意識に入り込めるサイコメトリーという
超常能力です。それについては、別の記事
で取り上げることにします。

驚異の催眠術編一覧

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驚異の催眠術編のまとめ

今回は驚異の催眠術シリーズのこれまでの
記事のまとめをしたいと思います。
くわしくは、元の記事が以下にあります
のでそちらをご覧くださいね。
宇宙の真理編が、当初の予定とは全く
違ってとんでもない量になってしまった
ので、ほとんどの人に真意が伝わって
いない気がするので、またこのような
シリーズ別のまとめ以外にも、総合的に
まとめて、わかりやすく伝えていくための
シリーズも作成していこうと思います。
今でも一部の方は、この私のややこしい
記事についてきていただいているよう
なので、本当に感謝していますが、できる
だけ多くの人に理解していただきたいと
いう思いで、まとめの記事も充実させて
いこうと思っています。
今回は以下の記事のまとめです。

驚異の催眠術その1

驚異の催眠術その1

驚異の催眠術その3

驚異の催眠術その4

驚異の催眠術その5 驚異の暗示

まずシリーズその1では、催眠術と聞くと
ドラマや映画などで、結構イロモノ扱い
されて出てくる事が多いのですが、それは
催眠術をかけられた人が、かかったふりを
するというような子供だましのようなもの
として、出てきたりするというものです。
これは、このような扱いをするのも一つ
の誘導なのですが、それはともかく本物
の催眠術はとても理にかなった、れっきと
した、人間の潜在能力に働きかけるもの
なのです。
それは、我々が低い脳波の時に、シータ波
という7Hz以下の状態では、ほとんど
睡眠状態または、半睡眠状態のトランス
状態に移行するのですが、その時には、
顕在意識である左脳に邪魔される
事なく、右脳が活発に働く潜在意識
のみ覚醒しています。
その潜在意識は、宇宙の無限の潜在
エネルギーや、我々の潜在能力とつな
がっているので、その意識に暗示を
与えるだけで、その力が発揮されると
いうものなのです。
このように、催眠術もとても理にかなった
ものだったという事なのです。

その2では、トムという人物が熟練の
催眠術師にかかって、多くの偽の現実
の暗示を与えられ、通常の催眠術と
同様「トムに部屋の中にキリンがいると
信じこませ、驚きで息を詰まらせたり、
ジャガイモをリンゴだと思わせて本気で
それを食べさせたりもした。」のですが
もっと驚くべきことに、目覚めた時に
自分の娘が見えなくなるという暗示を
トランス状態で受けたトムは、完全に
目を覚ましているにもかかわらず、
催眠術のかけられる以前のトムとは
違い、実の娘を見ることが全くできま
せんでした。彼本人は、そのような
暗示をかけられた事もトランス状態で
の事なので全く知らず、ただ本当に
目が覚めた状態で、これまでの現実とは
違い、実の娘を見る事が不可能になって
しまったのです。
しかも見えないだけでなく催眠術師が娘
の後ろにまわり、本来ならトムから
みえないはずの娘の背中に時計を押し
つけて、何が見えるのか尋ねると
、なんと娘がみえないトムは、娘の
身体に隠れて見えないはずの時計を
言い当ててみせたばかりか、その時計
に刻み込まれている文字まで読み込む
ことができたのです。
これは、我々の通常の感覚では、すぐ
には信じることができないものです。
つまり催眠術によりトムは、透視能力
まで発揮してしまったという事なのです。
もし、同じように別の暗示をかけられ
れば、人はもっといろんな超常的な潜在
能力を発揮できるかも知れないという事
まで、推測させられるような事例だった
というわけです。

その3では、バーゲンシュティッヒア
というドイツ人医師が、自分としては
信じていなかった催眠効果というものが、
マリア・デ・ジェロルド夫人には、
あてはまるというかも知れないという
事で、確かめようと実験をしてみたら、
本当に彼女は能力を発揮しだしたという
事です。
彼女は催眠術をかけた、このバーゲン
シュティッヒアと同じ感覚を共有した
という事を、彼は知る事になったと
いうわけです。
(この時注目したい事の1つは、この医師が
催眠術に熟達していたわけでもないという
事です)
以下がその時の夫人の能力についての
引用部分です。
「マリア・デ・ジェラルドは、次のよう
に断言している。「深いトランス状態に
はいっているあいだ、私の五感はすべて
閉ざされる。ただ閉ざされるだけでなく、
催眠術師のほうに転移される。私は彼の
耳が刺された痛みを感じ、彼の舌にのせら
れた塩や砂糖を味わい、彼の耳に近づけた
時計の音を聞くことができる。そして
彼の指にマッチが近づけられると、私も
火傷(やけど)をしそうに感じるのだ。~
~奇妙なことに、マリアはバーゲンシュ
ティッヒアとの距離が遠いほど、強く彼を
感知した。~
~さらに不思議なことに、彼女は、自分の体
と彼の体が発光性の「電気的」性質を帯びた
「紐」によってつながれていることに気づく
ようになった。」
“出典:「サイキック」
       コリン・ウィルソン著
   荒俣宏監修・解説 梶元靖子訳
           三笠書房刊 ”
これは彼女が催眠をかけた人物と意識と感覚
を共有する事を示していて、また空間の
認識も我々のものとは逆になり、遠いほど
相手との一体感を味わうという事でした。
実はこのことと、最近書いた
ビッグバンに変わる宇宙モデル
つながっているのです。
その記事では、科学的にな実験により
コンノケンイチ氏が、この我々の現実
世界では、空間は逆転・裏返しになって
いると看破しておられるという事を
紹介しました。つまりこのマリアの
遠いほど相手をより近く感じるというのは
潜在意識領域というより真実に近い領域
の意識では、空間が我々の認識とは逆転
しているという事を示しているという事
で、見事にコンノケンイチ氏の結論を
裏付けることになっているのです。
また彼女はトランス状態で、我々の
身体が、電気的な性質をおびたプラズマ
であることまで見てとることができた
という事なのです。
これについては生命エネルギーもプラズマ
という記事をご覧ください。

その4では、その3と同じくマリア夫人が
今度は、サイコメトリーという、手にした
ものの感覚とビジョンを得るという超常
能力を発揮したという事例を紹介してい
ます。
なんと彼女は海底の石になって海の重みを
感じたり、隕石になって大気圏に突入する
時の感覚まで体験する事ができてしまった
のです。なかなか信じがたいかもしれま
せんが、彼女の様子からとても演技して
いるようなものではなかったようだし、
そもそも海岸で拾った種を海草の種だと
思ったプリンス博士(このときの実験者)
がトランス状態にいるマリア夫人に
その種を渡すと、彼女は海草の種に
ついて語るのでなく、川辺の密林に
生い茂る背の高い熱帯植物について
語ったというのですが、それを
二人の植物学者に見せたところ二人
とも、それが熱帯雨林に成育する木の実で、
海岸で見つかったのは、川を流されてき
たためだろうと語ったため、彼女が
正しかったという事が裏付けられたと
いうわけなのてず。
これは確かに彼女が物質とも意識を共有
することができ、しかもその体験を
五感で鮮明に感じる事ができたという
ことなのです。
つまり宇宙の全ての物質にも意識があり、
もちろん我々のような感じ方はしないの
でしょうが、もしマリア夫人のように
一体化すれば、その物質の次元を超えた
意識を共有し、人間の感覚に「翻訳」して
体験することができるという事を示して
いるというわけなのです。

その5では、プラヴァツキー夫人の終生の
仲間だったヘンリー・スティール・
オルコット大佐についてのエピソードを、
紹介しています。
この大佐は、当初自分の暗示効果が、人々
の隠された能力を引き出し、奇跡的な
治癒を発揮できることを、自分の能力では
なく、一種の暗示によるだましの効果で
その奇跡的な治癒が発揮されると信じて
いましたが、やがて自分にその奇跡的治癒力
を引き出す力があるという事を、理解する
ようになったという事です。
彼の暗示効果によって病気や怪我を治療
された人の数はとてつもなく多人数になり、
食事の時間や着替えの時間まで、人々に
押しかけられるようになったという事
です。
そんな時彼は海水に自身を浸すことによって
エネルギーを回復したという事ですが、
これは、さきほどの私の
生命エネルギーもプラズマ
という記事で書かれている事を裏付ける
事例となっています。
そしてこの大佐の調子がよく、また暗示効果を
信じる人たちのおかげもあって、いっぺんに
12人も治療してみせたことがあったという
ことです。
その能力はすさまじく、
「部屋の一方の端にいて、他の端にいる
顔面麻痺の若いインド人に、片腕を
あげ、ベンガル語で「治れ」といった
だけでその若者を治療してしまったほど
だった。」
“出典:「オカルト」
    コリン・ウィルソン著
         中村保男訳
         平河出版社刊”
という驚異的なものだったようです。
この暗示効果は、催眠状態にある患者に
ではなく、起きている間にその暗示を
かけていた様子なので、通常の催眠術
よりも能力よりずば抜けて能力の
高いものだったようです。
もちろん患者の潜在意識に働きかけた
という点では共通しているので、この
シリーズに加えさせていただいたと
いうわけです。ここでも注目したいのは
起きている間、確かに自分の意識して
いる主体は顕在意識ですが、潜在意識
が働かなくなったのではなく、顕在意識
に、自分が囚われているだけだという事
です。だから起きている間も潜在意識と
右脳は、自覚のない部分で働きづけて
いるという事です。

以上これまでの催眠術シリーズの記事に
ついてのまとめは終わりましたが、
これからも増える可能性がありますので
増えてきたら、またこのシリーズの
まとめの記事も書かせていただこうと
思います。

驚異の催眠術編一覧

宇宙の真理編一覧

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驚異の催眠術その5 驚異の暗示

驚異の催眠術その4では、超意識編に
組み込んでいたのですが、
宇宙の真理編一覧に驚異の催眠術編を
新設しましたので、その4とともに
今回のその5もそこにリンクする事に
しました。
まあたくさん記事が出来てきたので、
画像をクリックして進んでいただけると
全体的に俯瞰して見ていただけるように
なっています。

さて今回は久しぶりに催眠術の話です。
神智学の創始者としてその名を知られた
プラヴァツキー夫人の終生の仲間だった
ヘンリー・スティール・オルコット大佐
についてのエピソードを、
コリンウィルソン氏の著書から引用して
ご紹介したいと思います。~から~は
中略の意味です。

“一八八二年の七月、大佐はセイロン島の
コロンボにあって、ある仏教活動の
復活活動に従事していた。~
~それまでのところは、まだ奇跡は
起こっていなかったが、大佐は、集団
暗示が作用しはじめれば、奇跡が
始まり、仏教の信者は半減してしまう
だろうと悟った。
そこで彼はくだんの高僧に、あなた
ご自身で奇跡を働くことに尽力した方が
いいですよ、と告げた。~
~そのすぐあとで、大佐は、片腕が麻痺
していて、片脚も半分麻痺にかかって
いるコーネリウス・アプという男に
あった。
大佐は、これなら暗示の効き目を
ためしてみてもよかろうと決め、
いくつか神秘的な動作をその男に対して
行い、これで良くなるかもしれないと
男に告げた。
 同じ日の後刻、アプ氏が戻ってきて、
もう気分が良くなった、もっと治療を
施してくれといった。大佐はまたその
男に神秘的な動作を行った。
コーネリウス・アプは、みるみる
うちに病気が良くなり、会う人ごとに、
大佐は奇蹟を働く人だといいふらした。
大佐は、麻痺していた手に対する
治療の仕方を記した文書を書いた。
それは-おそらくは地元の新聞にー
発表された。アプ氏は麻痺患者の友人を
連れてきたので、大佐がまた暗示療法を
繰り返すと、それは効き目をあらわした。
 ところが、大佐を滅入らせたことに、
大佐はあらゆる種類の病気にかかった人々
の大群に押しかけられて、にっちも
さっちもいかなくなった。
人々は群れをなして押しかけたのである。
大佐は、たいそう忙しい目にあったが、
まもなく、自分の治癒能力を用いる
ことが、自転車に乗るこつを覚える
ようなもので、あくまでも自信と練習
しだいでどうにでもなるものであるのに
気づいた。大佐は自分の治癒力を信じ、
病気で苦しんでいる人たちもそれを
信じたので、治療はいっぺんに十二人
もの人に作用した。
人々は彼の食事を妨げ、着替えをして
いるときにも押し入ってきた。
彼の記録によると、彼は一定の間を
おいて外に出、家の裏手にあたる港の
塩水につかることを欠かせなかった。
そこで彼は「新鮮な活力が潮のように
入ってきて私の身体を再び強める」の
を感じたのだ。
彼の能力は非常な程度にまで発達した
ので、ある日の朝、とりわけすがすが
しい気分でいるときに(「私は
ほとんど像にも催眠術をかけられそう
だった」)
部屋の一方の端にいて、他の端にいる
顔面麻痺の若いインド人に、片腕を
あげ、ベンガル語で「治れ」といった
だけでその若者を治療してしまったほど
だった。
「そのインド人の身体に痙攣が走り、
その眼は閉じ、再びあけられ、長い
あいだ痙攣していた舌が自由に突き
出されたり、ひっこんだりして、
荒々しい歓喜の叫びをあげるなり、
インド人は前に走り出て、私の足元に
身を投げ出した」
 大佐は理想的な条件のもとで自分の
能力を開発したのである。
たとえコーネリウス・アプに対する
治療が失敗していたとしても、そんな
ことは少しも問題にならなかったろう。
というのも、彼が自分の相手に
「詐欺を働く」ことによって相手の
病気を治してやろうとしているのだと
しっかり信じていたからである。
彼は、これが単なる暗示でしかないと
信じ続けていたが、そのうちに、自分
が治癒能力を持っていて、それが自然に
それなりのペースで発達しているのだと
がもはや間違いようのないものに
なった。~
~人間が自分の意志と称している
ものは、たいがい自己分裂している。
それだからこそ、たとえば、誰かが
あんたはかゆいと暗示しただけで私は
かゆくなるのである。私はかゆく
なりたいとは欲せず、かゆくなること
への不安が私の内部の天邪鬼(引用注:
あまのじゃくと読みます)な否定的意志
を、無意識で用いられていない意志を、
目覚めさせ、それがじっと坐っている
ことに飽きてくるのである。
(私は、多くの病気-潰瘍から癌まで
-を引き起こすのは、この否定的な意志
だという持説を持っている。)
もしオルコット大佐がコーネリウス・
アプをどうしても治したいと思っていた
ならば、大佐の緊張と神経のとがりが、
彼が自分の真の意志を呼び覚ますのを
妨げたであろう。その真の意志とは、
意識的な意志と無意識的な意志との結合
であり、それこそが「魔術的」な力の
基盤なのである。”
“出典:「オカルト」
    コリン・ウィルソン著
         中村保男訳
         平河出版社刊”

さすが、これまでの人類史上に見られた
超常現象の数々を、とてつもなく多く集めた
著書をたくさん書いておられるコリン・
ウィルソン氏ですね、考察まで非常に
鋭い見解だと思います。
ちなみに「オカルト」という言葉は意味を
誤解されている事が多いですが、
「超自然的」というのが本来の意味です。

オルコット大佐の最初の奇蹟は、神秘的な
動作を行っての成果のようにもとれますが、
おそらく暗示療法を助ける役割を果たして
いたものと思われます。
オルコット大佐が深く関わっている神智学
協会は、東洋の神秘に学ぶところが大き
かったので、その時に神秘的な動作も
覚えたものと思われます。
ですが、基本的に「暗示」療法が効き目を
あらわしているという事が後半の奇蹟で
明らかになっていますね。
もちろん最初の時にも「これでよくなる
かもしれない」という暗示をかけています
よね。
実は、近代でも暗示効果による治療効果が
認められつつあって、プラシーボ「偽薬」
を絶対的な効果のある薬だと信じた患者
の病気が完治したという例はいくらでも
あるのですが、それも一種の暗示効果
だといえると思います。
「単なる水」でもはっきりとした治癒効果
があらわれたという事例もあります。
もちろんオルコット大佐の時代には、
そういう概念はなかったのですが、
この本にも書かれているように、
「大佐は自分の治癒力を信じ、病気で
苦しんでいる人たちもそれを信じた
ので、治療はいっぺんに十二人もの
人に作用した」
とあることから、やはりオルコット大佐
の治癒力を信じる患者たちの潜在意識の
能力も同時に発現しているという事なの
だといえますね。
しかし、部屋の端にいるインド人に
ベンガル語で「治れ」といっただけで、
その若者の麻痺していた舌を完治させた
のだから、オルコット大佐の暗示
能力も、とてつもなく高いのも事実です。
この場合の暗示は特に催眠効果を伴って
いないので、催眠術とは厳密にはいえない
かも知れませんが、逆に覚醒時に潜在意識
に働きかける事ができているという事で
オルコット大佐の能力が、ずば抜けている
ともいえます。
この能力を自分の「意志」で開発したの
ではなく、つまり自分の能力でなく
「暗示効果」のおかげであると信じた
オルコット大佐の無意識が、本来の能力
を覚醒させたという事を、ウィルソン氏は
ここで解説してます。

私は、無意識と潜在意識をはっきりと区別
しているので、オルコット大佐の能力を
目覚めさせたのは、「無意識」の力では
なく「潜在意識」の力によるものだと解釈
します。
無意識というのは、むしろ潜在意識も
働かないロボット的な意識なので、むしろ
本来の真の意識の力から最も遠いもので
あるという事なので、オルコット大佐の
能力を目覚めさせる事はできないという事
なのです。
だから、ウィルソン氏の「真の意志とは、
意識的な意志と無意識的な意志との結合
であり、それこそが「魔術的」な力の
基盤なのである」といっておられる
ように、無意識という言葉を使って
おられますが、私の言葉で書き直させて
いただくとしたら
「真の意識とは、顕在意識(表面にあらわ
れて容易に自覚できる意識)と潜在意識
(目覚めている時には容易に自覚できない
右脳や松果体で、ようやく感知できる無限
に近い意識領域)との融合であり、
それこそが私たちの本来の万能な潜在能力
の基盤なのです」
という事になります。え?私の方が
わかりにくいですって?そこをなんとか
お願いしますよ(^_^)💦

また興味深いのが、オルコット大佐の奇跡
を聞きつけた人々が、オルコット氏の
着替えや食事のときにも押しかけてきて
とても忙しくなって、オルコット大佐が
へとへとに疲れた身体を癒やすのに、
なんと家の裏手の海(塩水)に浸かって、
見事にエネルギーを復活させる習慣を
身につけたということですが、これは
私が生命エネルギーもプラズマ
で書いているように、塩水が人体の生命
エネルギーを支えるプラズマエネルギー
循環を助けて、その電磁気的エネルギーを
「通電」させるのに役立っているからと
いう事が、ここからでもわかるという事
ですね。
どんな時にも真理はすべてつながって
います。

また催眠術の驚異の力についての実例は
取り上げますが、今回はそれをある意味
超えるような暗示効果をご紹介しました。
では(^^)/

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