トランシット法とは、現在運行している
天体の配置図と、出生時の天体の配置図
を比較して、惑星同士のアスペクトや、
サインの相性、また刺激を受ける出生図
の天体のあるハウスが示す暗示にも注目
して、現在の個人の運勢を読み取る方法
の事をいいます。
まあ簡単にいえば、生まれた時点の天体
の配置で、特有の生命サイクルを維持
したまま人生を過ごしますが、天体は
運行し続けていますので、刻々と変
わっていきます。当然我々はそのエネル
ギーも受けながら、人生を過ごしていく
ので、影響を受けます。トランシット法
はその移り変わっていく宇宙エネルギー
の読み取りたい時点での個人に対する
影響力を読み取るという事なのです。
さらにいうと、個人特有の生命サイクル
の宇宙エネルギーに対しての、その時点
での宇宙エネルギーの影響力を見るという
ことです。
自分の出生図の天体と現在の天体の関係を
ホロスコープで見るといっても、鑑定では
動きが速すぎる月などは2時間くらいで
1度変わってしまうために、アスペクト
では使えません。すぐ変わってしまうアス
ペクトの影響はそれほど強いものではない
からです。同様にほぼ毎日変わる太陽や
金星、水星についても、せいぜいその日
くらいしか影響を受けないので、他の
運勢の読み取り方にくらべて参考程度
にしかなりません。ただ太陽や金星、月
などの主要な天体については、幅のある
「サインの意味するもの」で読み取るのが、
一般的です。
また火星もやはり太陽などとほぼ変わり
ませんので、アスペクトの関係としては、
それほど重要視しません。
もちろんとても重要な日を占う時などは、
トランシットのその時の全ての天体に
ついて占います。
なんとか木星ならほぼ十日間は続くので、
木星以遠の天体、木星、土星、天王星、
海王星でアスペクトを見るのが、鑑定
では一番適当な、読み取りのサインに
なります。冥王星も含めていいです。
わたくしの西洋占星術の解釈は、サビアン
占星術と表裏一体で捉えているので、
アスペクトの許容範囲が極端に小さいです。
サビアンシンボルの解説をご覧になれば、
3度変わっただけでも大きな変化になる
ことも多いからです。
だから前後1度、大目に見る方が適当と
思われるときでも、前後2度までの許容
範囲で、アスペクトの影響を見ます。
大目に見る方が適当な時というのは、
サビアンシンボルでも、3度くらい似た
暗示のシンボルが並ぶ場合があるので、
つまりそういう時です。
さて気になるアスペクトの読み取り方
ですが、出生図(AscとMcも含む)
と、占いたい時点での天体同士がつくる
角度で主要なものと、その角度の関係が
示す暗示を、ご紹介します。
コンジャクション
0度(プラスマイナス2度)
暗示を強め合う関係。ネガティブで
あっても強めあいます。ただし、それを
逆手にとる方法もいくつもあります。
オポジション
180度(プラスマイナス2度)
表裏一体のエネルギーで、エネルギー
としての完成形で、非常に高め合う関係
です。しかもあらゆるエネルギー
に対しての柔軟さも持ち合わせている
ので、この天体同士の連携は、とても
重要になります。
スクエア
90度(プラスマイナス2度)
逆のエネルギーです。出生図の天体の
エネルギーの障害になるか、やりがいの
ある壁ととらえるかでまた、影響は変
わってきます。ただし出生図の天体の
ネガティブエネルギーを打ち消すようにも
働くので、その場合は得に重宝したい
天体の影響となります。
セクスタイル
60度(プラスマイナス1度)
ほぼ異質なエネルギーです。ですが、
120度のトラインのシンボルとの
影響を見れば、それはとても利用
しやすいエネルギーになります。
そしてまた別次元の意識として、
自分に加えていくことで、パワー
アップします。
トライン
120度(プラスマイナス1度)
ほぼ同質なエネルギーです。影響を
強めあいますが、それに甘んじると
逆に自分のパワーを弱めます。
また同質なエネルギーの別の意識と
して利用することもできます。
クインタイル・バイクインタイル
72度、144度(プラスマイナス1度)
神秘的なエネルギーをもたらすアスペクト
です。これは特にサビアンシンボルで見た
方が、理解しやすいです。
というのも、神秘的といってもネガティブ
なものも、異質なものもあり、柔軟に
捉えていかなければならないからです。
以上が鑑定に使うアスペクトですが、特に
この中でも最重要なのが。0度、180度
90度です。
今日はアスペクトを中心に取り上げまし
たが、限定的な角度だけに働くアスペクト
だけでなく、サインとしての影響も当然
受けますので、それも合わせて影響を読み
取っていきます。
次回は、トランシット法の読み取り方の
具体例をとりあげて説明します。