この記事は
催眠術とは意識をジャック(乗っ取り)
して一体化するという事だった!
の続編になります。
前回の記事では、マリア・ジェラルド
夫人が、催眠術師のバーゲンシュティッヒア
の意識と一体になり、彼の感覚までも自分
のものとして味わうことができました。
今度は、催眠状態にある彼女が、物体を
手に取り
過去は消え去らず鮮明な立体映画
のように残っている!?という記事
で紹介した、オソヴィエツキーのような
サイコメトラーの能力つまり、
手にした物体から、その物体の持つ
時空を越えたホログラム情報を得る
能力を発揮したのです。
ただ時空を越えた映像を体験した
オソヴィエツキーと違う点が、彼女が
その物体の持つ時空を越えたホログラム
をその物体が経験した時の感覚を、
自分の肉体的感覚として捉えたという
事です。
ではその様子を、前回同様コリン・
ウィルソン氏の著書から引用させて
いただきます。
“隕石の欠片を手渡されたとき、彼女は
文字通り隕石になった。
私は空中高く漂っている。周囲には多くの
光があり、ふいに輝きをましたと思うとまた
消えてしまう。太陽がごく近く、おそろしい
大きさに見える・・・。地震がはじまった
みたいだ(この時点で彼女は小さく痙攣
しはじめた)。立っている場所からひき
はがされそうだ。渦をまいて、速度をまし
ながら、深淵へと落下していく。目を閉じて
いるあいだに、氷のように冷たい層と。暑い
層を交互に突き抜けていく。おそろしい。
助けて!・・・
彼女の手からいそいで、石がもぎとられた。
(中略)
(ウォルター・フランクリン・プリンス
博士の実験でのこと)
プリンスは、ベラクルスの海岸で
「シービーン」(海の豆。通常、海岸に
打ち寄せられた熱帯植物の豆や種子。
軟体動物の石灰質のふたのこともある)
を拾った。家にも同じようなものが
あったので、彼はそれを海草の種だと
考えた。催眠状態にあるマリア・デ・
ジェラルドにそれをわたすと、彼女は
川辺の密林に生い茂る背の高い熱帯植物
について語った。プリンスは彼女が
間違ったのだと思い、
バーゲンシュティッヒアにそう報告した。
バーゲンシュティッヒアは、自分はマリア
の方を信じると言った。彼らはその種を
専門の植物学者ふたりに調べてもらった
。するとふたりともが、これは熱帯雨林に
成育する木の実で、海岸で見つかったのは、
川を流されてきたためだろうと語った
・・・。
(中略)
この現象を解明するためのもっとも興味深い
手がかりは、物体を手にしたときの状態を
語った彼女自身の記述にある。
実験がはじまるとすぐに、彼女は
バーゲンシュティッヒア博士の体を知覚
する。
しかし物体に「精神集中」した瞬間、
バーゲンシュティッヒアとの共鳴は絶たれ、
物体との共鳴が生じる。物体が針でつつ
かれると、彼女は痛みを感じる。物体が
アルコールに浸されると、彼女の口の中
にもアルコールの味がひろがる。火を
つけたマッチを近づけると、彼女の指が
焼けるように熱くなる。”
“出典:「サイキック」
コリン・ウィルソン著
荒俣宏監修・解説 梶元靖子訳
三笠書房刊 ”
これは、もちろんこれまでみてきたように、
催眠効果により、潜在意識領域にアクセス
できているマリアが、全てのものと一体に
なれる意識レベルに達している事を示して
いるわけです。
最初は催眠術をかけたバーゲンシュ
ティッヒア博士と一体感を味わった意識
だったのが、集中するポイントを物体に
移すと、やはりその物体と一体になれる
というわけです。
そもそも潜在意識領域というのは、全てが
一体となった領域なので、トランス状態に
入った彼女は、集中するどのポイントとも
一体感を味わえる状態になっている
ということですね。
これまでみてきたように、催眠状態では
脳波が低いレベルになっていて、当然
右脳も活性化している状態なので、全て
との一体感を実感できる状態になっている
という別の見方もできます。
つまり催眠状態も、右脳の働きも、脳波の
低いレベルも全て同様の状態を別の表現で
使っているだけで、結局同じものだという
ことですね。
そしてまた今回の事でわかる事が、ホログラム
的現実は、時空を越えた領域に永続的に存在
しており、物体レベルの「経験」も一体に
なる事で、自分の肉体の感覚として「翻訳」
して経験できるということなのです。
またそれを、代表的に感じやすい場所、
口の中や皮膚感覚で特によく感じると
いうことです。
一つの超常現象も、これまでの研究成果と
合わせて考えると、実に理に適ったわかり
やすい現象となるのです。
ではまた(^^)