昨日のその3でアニータさんは、臨死体験
領域から自分の肉体に戻ってきて
いたのですが、まだそのアニータ
さんの意識に肉体が反応していな
かったのです。
アニータさんが万能の意識を携えて
戻ってきた事など露も知らない
夫のダニーは、絶望的な気持ちで
アニータさんの手を握り、戻って
くるように何度も懇願しています。
アニータさんは、そんな夫の事を
愛しく思い、意識の中でやさしく
声をかけてあげています。
さてそのアニータさんが、とうとう
意識に肉体を反応させる事ができて
目を覚ましました。
前回はここまででした。
今度は、意識の戻ったアニータさんが
どんどん周囲を驚かせていく様子を
またシリーズでご紹介していこうと
思います。まずは前回の続きから
では引用させていただきます。
『』内が引用で、~が中略です。
『
午後四時頃、私は目をぱちぱちし始め
ました。視界はかなりぼんやりし、
目の前に立っている人がダニーだと
わかりませんでした。
その時、「アニータの意識が戻った!」
という彼の声が聞こえたのです。
この上なく幸せそうな声でした。それは、
二月三日の午後で、昏睡状態になって
からおよそ三十時間後のことでした。
「アニータ、おかえり!」アヌープが
大喜びでいいました。
「間に合ったのね!来てくれるって
わかっていたわ。だって飛行機に乗って
いるのが見えたもの」
私は叫びました。
(引用注:すでにアニータさんが、
全知のビジョンを得ていた事など
誰も知らないので、このあたりから
いちいち普通の感覚では考えられ
ないような事を言い始めるのです)
彼は少しとまどったように見えましたが
、私の言ったことはすぐに忘れて
しまったようです。
私の意識が戻ったので、家族はとにかく
幸せそうでした。
母も私の手を握って、微笑んでいました。
けれど私は、自分が昏睡状態であった
とは知らず、自分に何が起こっていたの
かも、もはや向こう側の世界にはいない
ということも、理解できずにまごついて
いたのです。
視界が少しずつはっきりしていき、
だんだん家族が見分けられるように
なりました。アヌープの後ろに、壁に
立てかけた彼のスーツケースも見えま
した。
医師がやってきて、私が目覚めたのを
見て、驚きと喜びの入り混じったような
まなざしでこう言いました。
「やあ、おかえり!みんな、君のことを
とても心配してたんだよ」
「こんばんは。チェン先生、またお会い
できて嬉しいです」多少意識がもうろう
とする中で私は答えました。
「どうして私のことがわかるんだい?」
明らかに驚いた表情でした。
「だって前にお会いしたからです。私が
呼吸困難の時、真夜中に肺から水を
抜いてくれたでしょう?」
「確かに、でも君はずっと昏睡状態で、
目を閉じていたんだよ」
チェン医師は、少し当惑しながらそう
言い、さらに話を続けました。
「とにかく、これは予想外のうれしい
驚きだ。君が目を覚ますことは難しい
と思っていたからね。ところで、
ご家族にいい知らせがあるんです。
肝臓と腎臓を検査した結果、また機能
し始めていることがわかりました」
「また機能し始めるって知っていました」
私はまごつきながら言いました。
「そんなはずはない。これは予想外の
結果なのです。とにかく、少し休んで
ください」
彼はそう指示して、部屋を出ていきました。
家族は喜びにあふれ、これまで見たこと
がないくらい嬉しそうでした。医師からの
よい知らせに、何度もお礼を言って
いました。
チェン医師がいなくなってから、私は夫に
尋ねました。
「チェン先生は、私が彼を知っているのを
どうしてあんなに驚いたのかしら?
彼が私を処置しているのを見たのに
・・・。私の臓器が機能を停止したから、
もう数時間しか待たないってあなたに
話したのは、チェン先生でしょう?」
「どうやってその話を聞いたんだい?
彼はこの病室では言わなかったのに。
廊下のずっと向こうで話したんだよ!」
とダニーは言いました。
「どうやって聞いたのかわからないわ。
でもチェン先生が来る前に、今回の検査
結果について知っていたの」と私は
言いました。
まだふらふらしていましたが、自分の
内側で明らかに何かが起こっていました。』
“出典:「DYING TO BE ME」アニータ・
ムーアジャニ著 hay house 刊”
“邦訳「喜びから人生を生きる」
アニータ・ムーア・ジャニ著
奥野 節子訳
ナチュラルスピリット刊”
絶対意識とともに身体に帰ってきた
アニータさんに、なかなか肉体が反応
しなかったのは、肉体とのエネルギーの
差があまりにも大きかったからという
のもあると思います。通常の臨死体験者
は、臨死体験で絶対意識に到達する事は
まれで、せっかく得てきた叡智も
ほとんどを忘れてしまいます。
つまり通常の臨死体験者の意識レベル
は、再び身体に適応させるのが、比較
的スムーズであったのだろうと思い
ます。
アニータさんは、なんせ自分の意識で、
骨と皮のような自分の肉体を完全
回復させるという確信とともに戻って
きているので、私たちの考えられる
ような意識のレベルとは全く違うという
事なのでしょう。
そして身体と意識を連動させてついに、
生き返ったと、家族から大喜びされる
事になります。もちろんとっくに
戻っていたアニータさんは、少し
とまどいながらも、次から次へと、
驚きの発言を繰り返していく事になり
ます。当然普通の感覚では意識のない
のが昏睡状態なので、その間の
出来事をアニータさんが知っている
はずもなく、遠く離れて暮らして
いるアヌープが飛行機に乗るビジョン
など、見られるはずがないからです。
また昏睡状態で運ばれてきたアニータ
さんが、医師の名前を知る事もなく、
ましてや病室から遠く離れた廊下
で、夫のダニーと医師の会話を知る
事など、絶対に不可能でしたが、
アニータさんは臨死体験領域で、すべて
をビジョンとして捉える事ができて
いたのです。
このあともアニータさんが周囲をずっと
驚かせつづけていく事になります。
次回の記事をお楽しみに(^_-)-☆
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