おいおいなおみんエスパーにでも
なったかー
催眠術の山本先生に催眠術
かけられたと思ったら、
オレの背中に隠れて見えない
はずの時計の文字盤が読める
なんて、透視したとしか、
思えないぞー
えっ、だって時計の文字をそのまま
読んだだけよ
それにお兄ちゃんの姿が見えないって
暗示をかけられたから、時計が
隠れるわけないじゃない。
おーじゃあ催眠術の暗示効果で
本当にオレの姿が見えなくなる
だけじゃなくて、オレの体以外の
ものはちゃんと見えてたってわけかー
なんだかわかんないけど、先生の
言った通りにしか見えなかった
だけじゃないの?
うーむしかし、これでは超能力を発揮
したとしか思えん、やっぱり
あのエピソードは
本当の事だったんだなー
なによー私には、超能力者になった
実感なんてなかったわよー
なんだか夢の中の出来事のよう
だったわ
そりゃあそうさ、催眠術は
半分夢を見せられてるような
もんだからな
じゃあ寝ている間って、みんな
エスパーみたいなもんだって
いう事?
そうだよなおみん、夢の脳波
は、右脳がふだんよりずっと
活性化して、予知能力も寝ている
間に発揮される事が多いのも
そのためだよ
なるほど夢のお告げとかって
意外と当たるというわけね
そういう事。
ではなおみんがエスパーに
なったという時と同じ状況の
エピソードがこれだよん
睡眠状態またはトランス状態である
シータ波などの、脳波が低い状態での
暗示効果により、催眠術にかかった人
が超常能力を発揮できるようになったと
いう実例を取り上げていきます。
ご紹介するのは、宇宙の真理について
圧倒的な内容を詰めこんだ、マイケル・
タルボット氏の著書から、彼自身が目に
した知人の催眠術体験についての引用
です。
“私自身が一九七〇年代半ばにこの目で
見たある出来事を紹介したい。ある日
私の父が、数人の友達を家に招き、余興に
プロの催眠術師を雇ったのだが、その席に
私も招かれていた。みんながどれだけ
催眠術にかかりやすいか判断したのち、
催眠術師はトムという名の父の友人を
被験者に選んだ。トムがこの催眠術師に
会うのはこの日がはじめてだった。
トムはやはりきわめて催眠術にかかり
やすいたちで、一瞬のうちに催眠術師は彼
を深いトランス状態へといざなった。
そして舞台の上で観客を前にしてよく
行われるようなさまざまな悪戯を披露した
のである。
まずはトムに部屋の中にキリンがいると
信じこませ、驚きで息を詰まらせたり、
ジャガイモをリンゴだと思わせて本気で
それを食べさせたりもした。
だがなんといってもその夜のハイライトは、
トランス状態から覚めたら、彼のティーン
エイジャーの娘ローラの姿がまったく見え
なくなっていると催眠術師がトムに告げた
ときだった。そして、ローラを椅子の目の前
に立たせ、トムの目を覚まし、彼女が見える
かどうかたずねたのである。
トムは部屋をぐるりと見回したが、彼の
視線はクスクスと笑っている自分の娘を
素通りしてしまっているかのように見えた。
「いいえ」と彼は答えた。催眠術師はあら
ためて本当に見えないのかと念を押したが、
ローラの笑い声がますます高くなっていた
にもかわらず、彼は見えないと答えたの
である。そしてつぎに催眠術師は、自分の
姿がトムに見えなくなるようにローラの
後ろにまわり、ポケットからある物を取り
出した。彼はこれを部屋の誰にも見えない
ように注意深く隠して、ローラの背中の
ほうに押しつけた。そしてトムにこれが
何だか当てるように言ったのである。
トムは体を乗りだし、あたかもローラの
体を見通すかのようにじっと見つめると、
それは時計だといった。催眠術師はうな
づくと、今度は時計に刻み込んでいる文字が
読めるかどうかたずねた。トムはなんとか
文字を読み取ろうとしているかのように目を
細めると、時計の持ち主の名前(部屋の中に
いた人は誰もその名前を知らなかった)と
そこに彫られているメッセージを読み上げた
のである。ここで催眠術師はその物を皆に
見せたが、たしかにそれは時計であり、
それを部屋にいた全員に回し、刻んだ銘文
をトムが正しく読んだことを確かめさせた
のだった。
後で私はトムに聞いてみたのだが、自分
の娘は絶対に見えていなかったと言って
いた。目に映っているのは、催眠術師が
手のひらに時計を持って立っている姿だけ
だったのである。催眠術師が何も言わな
ければ、私たちの合意の産物である通常の
現実を自分が知覚していなかったことなど
知る由もなかっただろう。
トムが時計を知覚していたのは、明らか
に五感を通して受け取った情報ではない。”
“出典:「投影された宇宙」
マイケル・タルボット著
川瀬勝訳 春秋社刊”
トムが催眠にかかり、娘の姿が見えなく
なるというのなら、まあ暗示にかかったの
だろうくらいにしか思いませんが、その後
がとてつもなく大事な事なのです。
催眠術師が誰にも見えないように手に隠
したものを娘のローラ背中に押しつけたの
ですが、トムからは当然ローラの体が、
遮っているので見えないはずです。
ですが、トムは時計を言い当てたばかり
でなく、時計に刻み込まれている銘文
まで読み取ってしまったのです。
彼は透視能力を使ったのでしょうか。
結果的にはそうです。ですが、彼は
ローラが見えなくなるという暗示を
受けているので、ローラが存在しない
状態の空間の読み取りを行っている
のです。つまり思い込みだけでなく、
はっきりといない状態の空間、つまり
直接催眠術師が見える状態での現実を
読み取れているということなのです。
通常の視覚では、光の反射を読み取って
いるだけなので、当然催眠術師も時計も
見えません。ですが、彼は目を
細めて銘文を読み取ったということ
からもわかるように、彼本人は目を
使っていると思っているのです。
ただし、実際に感知しているのは、
その通常の目の機能ではなく未知の領域
の知覚です。
だから目を使って読み取ったとトムが
思って動いていたのですが、実際には
その別の知覚で読み取ったのです。
この時の未知の知覚をもう少し詳しく
説明しましょう。
我々が見ている現実というのは、物質の
ように見えるホログラムだという事は、
以前超常現象とホログラムその1で説明
させていただきました。
つまり物質のように見えているのは、
波動の干渉でしかないという事です。
つまりトムは、ローラの体という波動
の干渉部分を読み取らないように暗示を
受けているので、ローラの体の波動を
未知の知覚領域で感知せずに、体の
奥にある催眠術師と時計の波動だけ
読み取ったということなのです。
この時この未知の知覚が、トムに使え
たのは、眠っている状態の彼の潜在意識
に与えた暗示があったからなのです。
つまりトランス状態で脳波がシータ波
であるような場合、暗示により超常能力を
発現させることもできるというわけなの
です。
なんだ私の経験したことって
つまりはこれの事だったのかー
そうそう全く同じケースだと
いう事がよくわかるよねー
これって確かに透視能力という
もののようだけど。
どうして本来見えないはずのもの
が見えるようになったのかしら
それはね、催眠術によってなおみんの
五感による肉体の知覚から解放されて
催眠術の意識と融合する事ができたから
なんだよ。
つまり催眠術師の意識と同調できる
ようになったので、催眠術師が
なおみんに暗示をかける事で、
催眠術師の言葉がそのままなおみん
の意識につながり、そのまま現実
として、なおみんの意識に投影
されたという事なんだ
またまた長いー
要するに私が催眠術師と、同調する
事によって催眠術師の意識と一体に
なって、催眠術師の言葉が、そのまま
自分の意識で実現されてしまうという事
なんだよねー。
その通りだよ!
さすがは、わが妹だぞ
なあにが「わが」よ
結局自分の自慢にしたい
だけじゃないのよー
へへへバレたかー
ではまた次回もよろしくー