退行催眠という方法で、過去世を
体験するという実例を紹介する
シリーズです。
前世記憶や臨死体験との共通点が
多いので、真理を探究するのに非常に
役に立つ事例だといえます。
今回も前回のその8に引き続き
レイモンド・ムーディー氏が
過去世体験を研究した成果として、
その特徴や要素をまとめておられ
ますので、著書からの引用でご紹介
していきます。
「」内が全て引用で、~が中略です。
「」外は私の考察です。
「特徴9 退行経験により肉体の病が
改善されることもある
まれにだが、被験者は過去世への退行経験
により、肉体の病が劇的に改善されたという
ことがある。全く解消してしまった場合すら
ある。
たとえば、私がリサと呼ぶ女性は、重い
頭痛によく悩まされていた。検査をしても
異常(たとえば腫瘍など)は見いだされ
なかった。彼女はまたもう何年も前に、
カフェインやアルコールを含む飲料を
一切断っていた。頻繁に起こる頭痛に対処
するには、毎日アスピリン錠を服用する
ほかなかった。
彼女は
「催眠療法をしてくれますか。どんなもの
か経験してみたいの」
と言って私のもとへやって来た。私が催眠
のトランス状態へ導くと、彼女は石造りの
古代都市での苦しい人生へと退行した。
以下は、催眠から覚めたのちに彼女が語った
ことである。
「私はその街に生活していましたが、街は
他国の軍隊によって侵略されようとして
いました。私はトランス状態の中で、彼ら
の軍隊が街に向かって山を下って来る光景
を見ました。強姦と略奪のためです。
私たちは皆恐れおののきました。敵の
兵士が人々を追いかけ回し、どこを見ても
逃げ惑う人々ばかりでした。
刀剣を手に持った彼らは、人々を切り
裂いていました。
私は自分自身も見ました。私は若い女性
で、白い服を着ていました。必死に
逃げようとしました。しかし、どこも
敵ばかりで、逃げようにも逃げられま
せん。突然、私は数人の敵につかまって
しまいました。一人が私の腕をつかまえ、
別の一人が私の頭を棍棒でなぐりました。
その痛さといったら信じられないほど
でした。何度かなぐったすえに、彼らは
私を地に投げ捨てました。脳は破裂
しそうで、私はゆっくり死の淵に落ちて
いきました。」
彼女は現実にその痛みを感じ取って
いた。目を閉じた状態で彼女はソファに
座っていたが、その顔にも声にも痛みが
あふれていた。
あとでこの恐ろしい死の経験について
彼女と話すと、彼女にとってそれは
大きなカタルシスとなったようだ。
過去世での経験を語ることにより、現世
での大きな感情的解放を経験したので
ある。
退行経験についていろいろ語る中で、
彼女の人生にはストレスや頭痛の種と
なるような、様々な問題があった事実が
明らかとなった。彼女が心の片隅に
追いやって見ないようにしてきた様々な
人生の問題も、退行経験を通して、
ほじくり出すことができた。そうやって
しだいに、彼女は心の問題を解消して
いくと共に、あのひどい頭痛をも解消
することができたのである。
このような例は、心と体が深く
つながったものであることを、私たち
に再認識させてくれる。」
これは、またとてつもない悲劇を経験
した過去世の追体験のようですが、
その事自体よりも、自分が霊的な存在である
事を、退行経験により実感できた事で
浄化作用が起きたのだろうと思われます。
つまり、過去の人生で、どんな悲劇を
経験していても、それは霊的にはなんの
影響もないという意識レベルを獲得
できたという事なのだと思います。
(霊という存在は、肉体に囚われて転生を
繰り返す魂より高次の存在で、肉体レベル
での経験の影響をほぼ受けません。
ですが、これも自分自身だという事です。
この高次の意識の階層構造というのは、
古来より世界中で、様々な分け方がされて
いるので、また記事でまとめていこうと
思いますが、きっちりと壁で隔てられた
ようなものどうしというわけではなく、
意識レベルの差があるだけで、つながって
いるものとして捉えてさしつかえありま
せん。肉体があり生きている状態でも、
私たちは、魂であり、霊でもあるという
事なのです。)
頭痛があったのは、過去世の肉体レベル
での記憶が魂に刻まれていた事が原因
ですが、魂よりも高いレベルの意識(霊)
にとっては、それを現在の潜在意識が
気づいた時点で、解消するべきものを
言葉でないような方法で手にしたと
いう事なのです。そのような過去の悲劇
的な記憶のエネルギーを解消するために
現在の人生を生きる事になったという事で
その目的を、私たちの日常意識レベルで
なく潜在意識または魂のレベルで気づいた
時点で、そのレベルでの浄化をする事に
つながったという事なのです。
このプロセスには、私たちの日常の意識は
ほとんど関わっていません。全て霊的な
次元と潜在意識での作用だという事なの
です。
これで彼女の重い頭痛も、治ったという
事ですが、それは肉体レベルよりも
このような高い霊的レベルの自分に
アクセスできたからという事なのです。
さて次の特徴をみていきましょう。
「特徴10
退行は時間的順序よりも、それが持つ
意味に従って進んでいく
被験者が、催眠を通し一年間に様々な
過去世へ退行したというような場合
(引用注:ムーディー氏は治療のため
被験者に何度も退行催眠を繰り返す
事が多いというわけです)、その退行
の順番は時間的順序ではなく、むしろ
被験者の心に最も関連しているもの
からになる。
たとえば、ある男性被験者が、現世
で女性に対する態度のことで幾つかの
経験をしているとしよう。すると退行
していく先の過去世は侵攻的な人生で
あったり、他者への依存的人生で
あったりする。
そういうものが幾つか続くのである。
退行していった先の過去世の主な
特徴は、過去世での被験者の役割よりも、
むしろ被験者の精神的・霊的な発達に深く
かかわっている。それゆえに、過去世に
退行して被験者の心の問題を解決する
という過去世療法が有効になるので
ある。」
“出典:「生きる/死ぬその境界は
なかった」
レイモンド・ムーデイ
ポールペリー 共著
矢作直樹 監修
堀 天作 訳”
これも人生の心の問題の解決に大切な
要素のようですね。
ムーディー氏は心理療法士なので、
基本的に被験者・患者の治療という
目的のために退行催眠をしているという
事です。
しかも、これは非常に有効な方法である
という事がわかってきたという事ですね。
自分の心の問題を解決するのには、自分
の過去世を経験する事で、解決できる
ようになるという事です。
そして今回の特徴は、過去世体験が、
まさに心の問題を解決するための順序で
進んでいくという事なのですが、催眠
をかけられた本人の霊的なレベルは、
その解決のための最善の体験を、本人に
させようとしているのは明らかですね。
確かにくどくど説明されるより、解決の
ための効果的な体験をする方が、より
本人の実感として、大事なヒントが
得られるという事なのだと思われます。
しかもその経験は、現世での自分の役割
や個性とは違う人生で、自分が精神的
・霊的にレベルアップするために効果的
な人生となるという事なのです。
そしてまた本人にとって必要であれば、
その人生での他者の心なども経験する事
ができて、より心の問題解決に役立たせる
事ができるという事です。
当然これらの経験は、潜在意識への作用と
いう意味で、強く本人に影響を与えるもの
となるという事なのです。
退行催眠による過去世体験は、私たちが
どのような存在であるかについても、
非常に大きなヒントを与えてくれて
いるというわけですね。
次回は、過去世体験の特徴の最後二つの
紹介と、過去世体験の特徴をまとめて
みていきたいと思います。
ではまた(^^)/
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