睡眠状態またはトランス状態である
シータ波などの、脳波が低い状態での
暗示効果により、催眠術にかかった人
が超常能力を発揮できるようになったと
いう実例を取り上げていきます。
ご紹介するのは、宇宙の真理について
圧倒的な内容を詰めこんだ、マイケル・
タルボット氏の著書から、彼自身が目に
した知人の催眠術体験についての引用
です。
ご紹介するのは、宇宙の真理について
圧倒的な内容を詰めこんだ、マイケル・
タルボット氏の著書から、彼自身が目に
した知人の催眠術体験についての引用
です。
“私自身が一九七〇年代半ばにこの目で
見たある出来事を紹介したい。ある日
私の父が、数人の友達を家に招き、余興に
プロの催眠術師を雇ったのだが、その席に
私も招かれていた。みんながどれだけ
催眠術にかかりやすいか判断したのち、
催眠術師はトムという名の父の友人を
被験者に選んだ。トムがこの催眠術師に
会うのはこの日がはじめてだった。
トムはやはりきわめて催眠術にかかり
やすいたちで、一瞬のうちに催眠術師は彼
を深いトランス状態へといざなった。
そして舞台の上で観客を前にしてよく
行われるようなさまざまな悪戯を披露した
のである。
まずはトムに部屋の中にキリンがいると
信じこませ、驚きで息を詰まらせたり、
ジャガイモをリンゴだと思わせて本気で
それを食べさせたりもした。
だがなんといってもその夜のハイライトは、
トランス状態から覚めたら、彼のティーン
エイジャーの娘ローラの姿がまったく見え
なくなっていると催眠術師がトムに告げた
ときだった。そして、ローラを椅子の目の前
に立たせ、トムの目を覚まし、彼女が見える
かどうかたずねたのである。
トムは部屋をぐるりと見回したが、彼の
視線はクスクスと笑っている自分の娘を
素通りしてしまっているかのように見えた。
「いいえ」と彼は答えた。催眠術師はあら
ためて本当に見えないのかと念を押したが、
ローラの笑い声がますます高くなっていた
にもかわらず、彼は見えないと答えたの
である。そしてつぎに催眠術師は、自分の
姿がトムに見えなくなるようにローラの
後ろにまわり、ポケットからある物を取り
出した。彼はこれを部屋の誰にも見えない
ように注意深く隠して、ローラの背中の
ほうに押しつけた。そしてトムにこれが
何だか当てるように言ったのである。
トムは体を乗りだし、あたかもローラの
体を見通すかのようにじっと見つめると、
それは時計だといった。催眠術師はうな
づくと、今度は時計に刻み込んでいる文字が
読めるかどうかたずねた。トムはなんとか
文字を読み取ろうとしているかのように目を
細めると、時計の持ち主の名前(部屋の中に
いた人は誰もその名前を知らなかった)と
そこに彫られているメッセージを読み上げた
のである。ここで催眠術師はその物を皆に
見せたが、たしかにそれは時計であり、
それを部屋にいた全員に回し、刻んだ銘文
をトムが正しく読んだことを確かめさせた
のだった。
後で私はトムに聞いてみたのだが、自分
の娘は絶対に見えていなかったと言って
いた。目に映っているのは、催眠術師が
手のひらに時計を持って立っている姿だけ
だったのである。催眠術師が何も言わな
ければ、私たちの合意の産物である通常の
現実を自分が知覚していなかったことなど
知る由もなかっただろう。
トムが時計を知覚していたのは、明らか
に五感を通して受け取った情報ではない。”
“出典:「投影された宇宙」
マイケル・タルボット著
川瀬勝訳 春秋社刊”
トムが催眠にかかり、娘の姿が見えなく
なるというのなら、まあ暗示にかかったの
だろうくらいにしか思いませんが、その後
がとてつもなく大事な事なのです。
催眠術師が誰にも見えないように手に隠
したものを娘のローラ背中に押しつけたの
ですが、トムからは当然ローラの体が、
遮っているので見えないはずです。
ですが、トムは時計を言い当てたばかり
でなく、時計に刻み込まれている銘文
まで読み取ってしまったのです。
彼は透視能力を使ったのでしょうか。
結果的にはそうです。ですが、彼は
ローラが見えなくなるという暗示を
受けているので、ローラが存在しない
状態の空間の読み取りを行っている
のです。つまり思い込みだけでなく、
はっきりといない状態の空間、つまり
直接催眠術師が見える状態での現実を
読み取れているということなのです。
通常の視覚では、光の反射を読み取って
いるだけなので、当然催眠術師も時計も
見えません。ですが、彼は目を
細めて銘文を読み取ったということ
からもわかるように、彼本人は目を
使っていると思っているのです。
ただし、実際に感知しているのは、
その通常の目の機能ではなく未知の領域
の知覚です。
だから目を使って読み取ったとトムが
思って動いていたのですが、実際には
その別の知覚で読み取ったのです。
この時の未知の知覚をもう少し詳しく
説明しましょう。
我々が見ている現実というのは、物質の
ように見えるホログラムだという事は、
以前超常現象とホログラムその1で説明
させていただきました。
つまり物質のように見えているのは、
波動の干渉でしかないという事です。
つまりトムは、ローラの体という波動
の干渉部分を読み取らないように暗示を
受けているので、ローラの体の波動を
未知の知覚領域で感知せずに、体の
奥にある催眠術師と時計の波動だけ
読み取ったということなのです。
この時この未知の知覚が、トムに使え
たのは、眠っている状態の彼の潜在意識
に与えた暗示があったからなのです。
つまりトランス状態で脳波がシータ波
であるような場合、暗示により超常能力を
発現させることもできるというわけなの
です。
催眠術により、超常能力を発揮した例は、
他にもあるので、また別の記事でご紹介
することにしますね。ではまた!
驚異の催眠術編一覧
トランス状態かつθ波、これはつまり普段眠っている右脳が働いている状態と言えると思います。
そうです、その通りです。そして左脳も同時に
働いています。超能力者は全脳の状態になっている
事が脳波で確認されています。
つまり左脳に、右脳の働きを抑える力がないと
いうことですね。
そしてその超能力を、自分のコントロール下で制御
するために左脳が「協力的に」働いているということです。
右脳に左脳が従うような形といってもいいです。
左脳が働いていないと、脳障害の方と同じように、
社会的なバランスがとりにくい状態になります。
さらに、追加です。
θ波の脳波になるような低波動の状態では、
潜在意識のより高く深い領域が働きやすい
環境になっているので、その領域を担当する
右脳に反応が出ているという事です。