今回比較研究するサビアンシンボルは、
牡牛座24度
「馬にまたがり骸骨の締め具をつけた
インディアン」です。
あんみんはそれをすでに毎日のサビアン
シンボルで解説していますので、まずは
それをご覧ください。
「これは前日の宝石店にひそむ危険性から身を
守るという防衛本能が、集団意識となって
あらわれたということですね。
スピリチュアルの世界では、主体と客体の
区別はなく、全ては一体であるという
考え方が主流です。
前日の宝石を守る意識が、略奪者に変わって
いるように見えるのもそのためですね。
もちろん略奪者の方も自分たちの生活を守る
という意識があるのですが、もちろん望まし
くない解決方ですよね。」
という解釈ですが、これだけだと、後に紹介
する松村潔氏や、直居あきら氏の解説に
比べて、あっさりしすぎなので、もう少し
突っ込んで解釈しますね。
これは自分と関わりの深い人々や仲間を
守るために、自分とは関係のない他人から、
略奪しているということで、あまり
良くないシンボルなのは確かですが、
そもそも根底には、そうしないと生きられ
ないという思想があります。
しかし、我々は本来奪い合わなくても
全員豊かに生きていけるだけの資源や食料
を手に入れられるのです。ただ貧困の
格差をなくし、富が公平に分配され、
人々が互いのために働き合うようになり、
さらに地球の環境をこれ以上壊さない
ように協力し合えば、食料もなにもかも
資源はいくらでも生み出せるのです。
さらに、何より食事をそれほど必要と
しなくても生きれるように、肉体の
プログラムを書き換えることもできる
ので、いくらでも我々は、弱肉強食の
プログラムに従わないようにできるの
です。このプログラムは土星などから
来るネガティブエネルギーにより、
DNAに書き込まれるものです。
つまりこのシンボルは、人類全体が
陥っている間違った思考法を示して
いるという事なのです。
このあんみんの解釈に対してまずは
松村潔氏の解説からご紹介しましょう。
“どのグループでも4番目の度数は、
安定性や維持力、あるいは実際性に
関係します。
ここに登場する「インディアン」は、
敵を絶滅する力を持つ恐怖を与える存在
で、牡牛座23度の「宝石店」を守る
ために必然的に行使される攻撃力を表し
ます。
現代企業の分野でも、ライバルメーカー
を陥れる工作をする営業の人などに、
この度数を持つ人は多数います。
自分の属する伝統(21度)を守る
ために他の伝統を排除するわけです。
牡牛座が好戦的と言われる場合は、特に
この度数のことを意味しますが、
1つの分野や自分が属する世界の繁栄を
もたらすためには、結果的に他を排除する
しかない場合も多く、牡牛座の場合、
自分の部族の平和を維持するために
他の部族と戦争をするのです。
物資や土地は有限であり、こうした地上
敵な世界では平和な共存はあり得ない
ということも示唆しています。”
“出典:決定版!!サビアン占星術
松村潔 著
Gakken刊”
つまり松村潔氏は、やはり多くの人と
同じように、弱肉強食が自然な事だと
言っておられるわけですが、さきほど
説明させていただいたように、それは
人類全体の集合意識としての間違った
思考方法だと思います。弱肉強食が自然
だと勘違いしているからこそ、略奪や
戦争行為を、ある程度黙認してしまう
意識につながってしまうので、人類は
ネガティブな方向にしか向かわなく
なってしまうのです。実際世界中に難民
が溢れかえっているではありませんか。
それは、大国が勝手に始めた戦争や、
グローバル企業が、発展途上国に入り
込み、その国の主権や、資源を奪って
いるからです。もしこの構造を知らない
人がいれば、勉強不足ですね。
この現在の世界の苦境が、資源が有限
で弱肉強食が自然な事だからと短絡的
に捉えるのは、残念ながら、偏った見方
だといわざるを得ません。
そうですね、それだけのことをいうの
だから参考文献の1つでも紹介しておか
なければなりませんね。
では次の二冊だけで充分です。
「ショックドクトリン」上下巻
ナオミ・クライン著
幾島幸子・村上由美子 訳
岩波書店刊
これは原著が世界的ベストセラーに
なった本で30以上の言語に翻訳され
ています。
まあもし反論がある人は、うのみに
したテレビや新聞、お手軽な雑誌の
知識ではなく、1度この本をお読みに
なってからにした方がいいかと思われ
ます。
さてこの牡牛座24度についてもう
ひとかた、直居あきら氏の解釈をご紹介
します。
“タウラス24度
「腰に人間の骸骨を吊したインディアン
の戦士が、火のように燃えて馬に飛び乗る」
(中略)
このディグリーの人は、激しい人生を送ろう
として生まれてきている。その激しさの
もたらす現象は戦いや争い、生活との格闘、
激務、息つく暇も無く変化する状況になる
可能性がある。
立ち止まることの出来ない人生を一時期経験
していきそうだ。
日々を走り抜けながら、瞬時に的確な判断を
しなければならず、それが出来ないと生存
競争の場から弾き飛ばされてしまう。
(中略)
アストラル体のレベルからは、この緊張や
興奮が心地よい経験として選択されて
いるのだ。
何かに集中している状態は、思考を止める
ある種のカタルシスを生む。このディグリー
の場合、それが反面教師のようにこの人を
強くする。
あれこれくよくよ考える必要がないから
である。
この人にとって人生を生きることは、家族や
立場を守るために目前の事を克服する
ことだ。”
“出典:「定本サビアン占星学」
直居あきら著
魔女の家®BOOKS刊”
直居あきら氏は、私や松村氏のように、
略奪行為という人類全般の弱肉強食という
コンセプトを使っていません。個人的な
生活レベルでの戦いや激務などをテーマに
しているわけで、確かにこれもこのサビアン
シンボルが暗示しているものだと思います。
さすがにアストラル体の意識まで読み取る
深さにはいつもながら、感心しますが、
今回の経験を求めるアストラル体つまり
魂レベルでの意識というのは、わかり
やすい気がしました。我々は肉体に宿る
時、個人的なレベルとしての魂に集約され
ますが、その時に今生での望む経験という
ものを持って生まれてくるからです。
それがこのシンボルを主体に持つ人など
の魂にとっては、緊張や興奮の経験だった
という事なのです。
まあ今回も三者三様の解釈の比較を徹底
させていただきましたが、弱肉強食の
考え方という点でだけ、松村潔氏と少し
意見を異にしている事を説明しました。
しかし、松村潔氏をこれまで通り、最も
尊敬している占星術家、占星学家という
スタンスは変わっていません。
考え方は自由ですし、人類の意識を代弁
しての解説だとすれば、私も同じような
解説になりますから。ただ私は、オリジ
ナルの解釈をしているわけで、そういう
意味で心ならずも、師と仰ぐ人と意見を
異にすることもわりと多くなるという
事です。
独自のものでなければ、新しい解釈と
して紹介する意味がありませんからね。